
1リットルの涙 第5話
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1リットルの涙
第5話 障害者手帳
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20歳になった亜也(沢尻エリカ)は、常南大学付属病院で入院生活を送りながら、日記を書き続けていた。その傍ら、亜也は、養護学校時代に世話になったボランティアの喜一(東根作寿英)に依頼されて始めた「ふれあいの会」の会報にも寄稿を続けていた。
一方、遥斗(錦戸亮)は、医学生として勉強の日々を送っていた。亜也から別れの手紙を貰ってすでに1年ほどが過ぎていた。遥斗の部屋の棚には「ふれあいの会」の会報が積まれていた。
ある日、亜也の元に、潮香(薬師丸ひろ子)や瑞生(陣内孝則)、亜湖(成海璃子)たち妹弟がやってくる。亜湖が描いた絵が展覧会で入選し、明和台東高校に飾られていることを知った亜也は、ふいに「東高に行きたい」と言い出す。家族と一緒に、久しぶりに東高校を訪れた亜也は、バスケットボール部員の姿や、合唱の練習を聞きながら、15歳の自分が確かにこの場所にいたことを思い出していた。
発病してから5年が経過し、運動機能が著しく低下していた亜也は、ある日、とうとう自分の力で立ち上がることができなくなってしまう。診察をした水野(藤木直人)は、亜也が突然危険な状態に陥る可能性があることを潮香と瑞生に告げ、何かあったときすぐに家族に連絡を取れるようにしておいてほしい、と頼む。
水野の部屋を出た潮香は、亜也の病室の前で芳文(勝野洋)に出会う。芳文は、亜也のために何もしてやれない、と自分を責める潮香に、長男を失ったときの無念な思いを話し、亜也との時間を大切にしてほしい、と言葉をかける。
同じころ、瑞生は遥斗に会っていた。遥斗の気持ちを察した瑞生は、彼に感謝の気持ちを伝えると、「お前は自分の人生をちゃんと生きろ」と告げる。
そんなある日、亜也は、食事を詰まらせて呼吸困難に陥る。水野たちの処置のおかげで幸い命に別状はなかったが、亜也の受けたショックは大きいようすだった。
別の日、水野は、亜也宛に届いた一通のハガキを彼女の元に届けに行く。が、亜也は、日記を書いていてそのまま眠ってしまったようだった。部屋を出た水野は、授業を終えた遥斗の元に向かった。水野は、亜也のことを何もわかってやれなかった、と悔やむ遥斗に語りかけた。未知の領域が多い神経内科で、誰も治せなかった病気を自分なら治せるかもしれない、という野心を持っていたこと、心のどこかに脊髄小脳変性症の完治を諦めかけている気持ちがあったが、亜也の姿を見ていて諦めたくないと思ったこと…。「患者が諦めていないのに、医者が諦められるわけないよな」。水野は、遥斗にそう告げると、彼にハガキを託した。
遥斗は、ハガキを持って亜也の病室を訪ねた。そのハガキは、亜也と同じ病気に苦しむひとりの女の子から送られてきたものだった。カーテンの向こうにいる亜也に話しかけた遥斗は、ハガキを読み始めた。そこには、亜也の文章を読んで励まされ、辛くても前に進みたいと思ったという、少女の思いが綴られていた。ハガキを読み終えた遥斗は、欲張っても、無理にでも、亜也には生きていてほしい、と彼女に伝えた。すると亜也は、カーテンの間から震える手を差し出した。カーテンを開けると、そこには涙を流してこちらを見つめる亜也の姿があった。亜也は、遥斗からハガキを受け取り、「あたし…役に立ったんだ…」と涙を堪えながら笑ってみせた。
クリスマスが近づいたある日、亜也は、病室にやってきた水野に、他の病院に移るのかどうか尋ねた。看護師たちの噂話を偶然耳にしたからだった。水野がそれを否定すると、亜也は安堵の表情を浮かべた。いつまでも自分が良くならないから見捨てられたと思った、と言う亜也。水野は、必死に笑顔を作って、絶対に諦めない、と彼女に告げた。すると亜也は、水野に献体を申し出た。水野の役に立ちたい、というのだ。水野は、涙を堪えながら、そんなことを考えてはいけない、と亜也を諭す。診療室に戻った水野は、自分の無力さを噛み締め…。
そんな折、亜也は、家に帰りたい、と潮香に頼む。潮香と瑞生から相談を受けた水野は、亜也が献体の申し出をしたことをふたりに伝え、彼女が望むなら全力でそれを叶える努力をする、と言って、1日だけの帰宅を認める。その夜、潮香と瑞生は、亜湖、弘樹(真田佑馬)、理加(三好結稀)の3人に、亜也の病状のことを伝えた。亜湖も弘樹も、亜也を明るく迎え入れて優しくしてあげよう、と決意する。
帰宅の日、池内家では、ひと足早いクリスマスパーティーが開かれた。そこで、亜湖、弘樹、理加に、プレゼントを渡す潮香。それは、亜也が3人のために選んだものだった。潮香は、亜也が妹弟たちに書いた手紙を読んで聞かせた。亜也は、彼らが自分のせいでいろいろ我慢してきたことに気づいていたのだ。
あくる朝、池内家の面々は、店先で亜也を囲んで家族写真を撮った。亜湖は、カメラを見つめながら、「亜也ねえが帰ってくる場所、これからも変わらないでここにずっとあるからね」と亜也に伝えた。
入院生活に戻った亜也は、やがて上手く話すことが出来なくなり、文字盤を使って水野や潮香たちとコミュニケートするようになっていた。それでも、日記を書くことだけは止めない亜也。喜一は、亜也の日記をもっと紹介したい、と潮香に申し出る。亜也が書いた詩が、大きな反響を得ていたのだ。
ある日、芳文は、亜也の病室に向かう遥斗の姿を見つけ、彼を呼び止めた。そこで芳文は、遥斗を子ども扱いしてしまったことを認めた。芳文は、自分にそっくりで、頑固で不器用な遥斗のことが心配だったのだ。「もう何も言わない。自分が信じたことをしなさい。お前は充分大人だ」。芳文は、遥斗にそう告げた。
芳文と別れた遥斗は、亜也の病室を訪ねた。亜也は、震える手で文字盤を指差し、日記を読んでほしい、と遥斗に頼んだ。そこには、病気と向き合い、闘ってきた亜也の思いがつまっていた。「お前、頑張ったな…頑張って生きてきたな」。遥斗の目から涙が溢れていた。そんな遥斗に亜也は、文字盤で「いきてね」と伝えた。「ずっといきてね」。日記の最後のページには、乱れた文字で「ありがとう」と書かれていた…。
それから5年後、亜也は、短い生涯を閉じた。
亜也の1周忌の朝、潮香は亜也の日記に続けて、彼女への手紙を書いた。
亜也へ
あなたと会えなくなってもう1年が経ちました。
亜也、歩いてますか。ご飯が食べられますか。
大声で笑ったり、お話ができていますか。
お母さんがそばにいなくても、毎日ちゃんとやっていますか。
お母さんは、ただただ、それだけが心配でたまりません。
亜也は、電話も手紙も届かない、遠いところへ行ったんだよね。
幸せに暮らしているかなあ。元気でいるかなあ。
お母さんはそう思いたいの。
「どうして病気は私を選んだの?」「何のために生きているの?」
亜也はそう言ったよね。
苦しんで苦しんで、たくさんの涙を流したあなたの人生が何のためだったのか、
お母さんは今でも考え続けています。
今でも答えを見つけられずにいます。
でもね、亜也。
あなたのおかげで、たくさんの人が生きることについて考えてくれたよ。
普通に過ごす毎日がうれしくて、あったかいものなんだって思ってくれたよ。
近くにいる誰かの優しさに気づいてくれたよ。
同じ病気に苦しむ人たちが、ひとりじゃないって思ってくれたよ。
あなたが、いっぱい、いっぱい涙を流したことは、
そこから生まれたあなたの言葉たちは、
たくさんの人の人生を変えたよ。
ねえ、亜也。
そっちではもう泣いたりしていないよね。
…お母さん、笑顔のあなたに、もう一度だけ会いたい…
亜也の墓前で、潮香と瑞生は、水野と再会した。「お嬢さんは凄い人でした」。水野は、ふたりにそう告げた。亜也のもとに、たくさんの人たちがやってきたのだ。若者たち、家族連れ、老夫婦、車椅子の少年・少女――それぞれの手には、赤いガーベラが握られていた。その花言葉は…。
池内亜也 沢尻エリカ
池内潮香 薬師丸ひろ子
麻生遥斗 錦戸亮
池内亜湖 成海璃子
水野宏
藤木直人
(特別出演)
池内瑞生 陣内孝則
池内弘樹
真田佑馬(ジャニーズJr)
池内理加 三好杏依
河本祐二 松山ケンイチ
西野良三 佐藤重幸
